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TEXTのIF ver.2に『綻ぶいびつ』をupしました。
段々と姉さまの方の異常性も明らかになってゆきます。
書いた私が言うのもなんですが、この連載って誰得？

BOD

さて、略すると小文字のオーが大人の事情で大文字になるBODですよ。
最近シリアスな展開が多いですねぇ。（何を他人事のように）
でも大丈夫！
BODには咎狗最大のギャグ要員がまだ控えてますから！
基本的にトリップ物はえせシリアスほのぼのギャグです。
BODのあのEDはなんなんだとかいう疑問はそっと貴女の胸の中に仕舞っておいてください。
ぶっちゃけ書きたいから書いただけですし。
では、続きからBOD行ってみましょう！

「お、女だとッ！ けッ、けッ、けがらわしいッ！」
初対面であるはずの仮面の男に叫ばれ、バローダは顔をしかめた。
耳障りな甲高い声もさながら、その発言自体が不愉快だ。
そもそも『城』に彼女を招いたのは、目の前の人物のはずである。
だが自分が招いた客に、出会って早々の暴言。
どうやらこの世界に常識人はいないらしい。
「つまりお前は女の腹からではなく試験管から産まれたということか？」
苛立ちのままにバローダは目の前の男に冷ややかな言葉を浴びせかける。
「女が汚らわしい？ そういうことは男だけで子を成せるようになってから言え」
はんっと鼻で一笑に伏す。
勝手に男だと勘違いしていたのはそちらだろうに。
本当に、ここに来るまでの案内人の二人といいこの男といい、初めに会ったシキといい、どうやら彼女には対人運がないようだ。
「な、なッ……」
男はふるふると肩を震わせている。
屈辱か羞恥にか、顔を赤く染めている。
今更だが、白いスーツに赤いシャツと紫のどぎついファー、金髪に仮面という組み合わせはいかがなものなのだろう。
求む常識人。
バローダはこの世界に飛ばした何かに願いたくなった。
やがて男は耐えるように息を大きく吐き出すと、背筋を伸ばし表情を取り繕った。
そうしているとなるほど、威厳があるように見えなくもない。
非常識人には違いないが。
「まあいいッ！ ……ようこそヴィスキオへ。招待に応じて頂けて嬉しく思うよ」
嘘つけ、男じゃないことを思いっきり嫌がってたくせに。
とは、流石にバローダも口に出さなかった。
変態に関わりたくないのもあったが、恰好つけている時につっこむのも哀れかと思ったからだ。
元は日本人、場の空気を読む能力は備わっている。
「……歓迎、感謝する」
先程のがこちら流の歓迎なんですねぇと、言外にちくりと毒を含ませながらも当り障りのない答えを返した。
元OLを侮ってはいけない、嫌味は十八番だ。
到底自慢できることではないが。
仮面越しに男の引きつった笑みが見える。
どうやら嫌味は効いたようだ。
常識はないが知能はそれなりにあるらしい。
「それで、此処に連れて来られた理由を伺いたい」
バローダは閻魔刀を肘に挟むようにして腕を組む。
鞘に入っているとはいえ日本刀を目の前にし、男は焦りを見せた。
汗が一筋、頬を伝う。
「ま、まあ落ち着いて席に着いてくれたまえ。ことによっては話が長くなるやもしれない」
男に勧められ、縦長のテーブルの端、男の正面にバローダは腰を下ろした。
愛刀はテーブルに立てかけておく。
いつでも抜くことは可能だ。
男はとりあえずバローダが刀を手から離したことで安堵したようだった。
日本刀にトラウマでもあるのだろうか。
「まずは自己紹介から始めよう。私の名はアルビトロ、この街で行われているイグラを取り仕切っている」
イグラはご存知かなと、付け足された言葉にバローダは概要はと小さく頷いた。
シキに喋らせた情報と此処に数日暮して知ったことで、大体は理解している。
「トシマに少しの間在住する予定だ。日本人ではない。名はバローダ」
淡々とそれだけ言い放つと彼女は口を閉ざす。
それ以上言いようがないのが事実だ。
異世界人などと何処の誰が簡単に信じようか。
いざとなれば悪魔の力を示せばいいが、そうおいそれと他者に見せるものではない。
この世界の研究機関に興味を持たれでもしたら厄介なことこの上無い。
アルビトロは日本人ではないという言葉に目を細めた。
「率直に聞こう。君の目的は何だね？」
単純に考えれば、日本人以外の者がこの街に来たとして、目的はラインだろう。
だが彼女はあまりにも目立ち過ぎた。
銀の長い髪に日本人離れした美貌、青いロングのレザーコートという恰好もさながら、何よりも持っている武器が問題だ。
バローダはトシマで知らぬ者はいないほど有名な恐怖の体現者と言っても過言ではない男が振るう物と同じ、日本刀を持っているのだ。
扱いもだが、手入れ自体が面倒な日本刀を武器にする者は、今までシキしかいなかった。
そこにこの外見自体も派手な彼女が同じ武器を持っている。
結果、数日過ごしただけでアルビトロに目をつけられてしまうほどには、彼女の存在は知られているのである。
それでは密偵としては役に立たない。
彼女は自分を隠す気など一切ないのだから。
イグラに参加するでもなし、ただふらつくだけのunknownの存在はひどくアルビトロを不安にさせた。
調査の結果は一切なし。
外国に手を回すも、まず何処の国の人間なのかもわからなければ調べようがない。
アルビトロには彼女を呼び出すしか道がなかったのだ。
「目的、か……」
目的など、バローダにはない。
当然だろう、此処にいるのは彼女の意志ではないのだから。
ただ一つすべきことといえば。
「探し物だ」
「探し物？」
「ああ」
元の世界に帰る手段、もしくはこの世界に自分を呼び出したもの。
そのどちらかさえ見つかれば、バローダは元の世界に帰ることができる。
「その、探し物とは一体？」
もしやラインの原料ではないかと、アルビトロはテーブルに身を乗り出す。
バローダはうんざりと手を振った。
「お前の不利益になるようなものではない」
ラインなどには興味がない。
随分と強力な麻薬のようだが、普通の人間が摂取した所で能力の上限はたかが知れている。
悪魔に対抗できても、魔力のない人間では精々ヘルシリーズかアビスが限界だろう。
半魔であるバローダが摂取してもそう効果はあるまい。
「話がそれだけなら失礼する」
「ま、待ちたまえ！ 君はイグラに参加する気はないのかね！？」
席から立ち上がったバローダに慌ててアルビトロが食いつく。
「……気が向いたらな」
今度こそ彼女はその場を後にした。

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TEXTのIF ver.2に『前菜に変えて』をupしました。
一応まだ4本編を踏襲しています。
が、次からは離れる予感。
もうムービーを見ながら戦闘シーンの描写に脳みそパーンしなくて済むと思うと涙が出ます。
次からは攻略本を片手に辻褄を合せる簡単なお仕事。
あれぇ、全然楽になった気がしないぞ？
というか戦闘シーンはまだあるんですよね、悲しいことに。
スタイリッシュアクションゲームの夢小説を書いてるのだから当たり前ですが、時々目が遠くに行きます。
大体ダンテのせい。
ムービーで無駄にスタイリッシュな動きをするダンテのせい。

夢幻の剣製 小ネタ

Fateといえば戦闘はもちろん、日常ギャグパートですよね。
ということでいってみよう！

とある昼下がりの午後、士郎と並んで食器の片付けをしながら桜はふと疑問を口にした。
「そういえば先輩もお料理上手ですけど、バローダさんはどうなんですか？」
「ん？ バローダねぇの料理？」
「はい」
バローダは最近帰宅した士郎の血の繋がらない姉である。
名前からしてもそうだが、艶やかな銀の髪と氷色の瞳は日本人離れしすぎている。
外見からすればイリアスフィールと親族であると言った方が説得力がある。
当然彼女らに血縁関係はない。
「そうだな、はっきり言って美味い」
キュッと、蛇口をひねって水を止める。
水に漬かっていた食器は洗い終え、桜の手で拭かれ棚の中へと戻されている。
「他の料理はだいぶ追いついた。でもッ、どうしてもッ、バローダねぇの筑前煮と卵焼きに追いつけないんだッ！」
筑前煮の味のしみ具合とほくほくさ、厚焼き卵の柔らかい中に潜むほのかな甘み。
何度挑戦し、その度に敗れ去っただろうか。
だが最近は十に一度、いや、二十に一度の割合で、ほぼ同じだと思えるものが作れるようにはなってきていた。
創造理念を鑑定し、基本骨子を想定し、構成材質を複製し、製作技術を模倣し、憑依経験に共感し、蓄積年月を再現するという過程を経て再現するのが士郎の魔術。
なれば、いつの日かバローダの作る料理にいたることも不可能ではない。
「フッ、まだその段階にいるのか衛宮士郎」
「なんだとっ！」
妙に鼻につく嫌味な言葉に、士郎は噛みつくように振り返った。
未来の一つの可能性を体現する、現時点では弓兵の位を冠する男が腕を組み、笑う。
それはあるいは嘲りであり、憐れみであった。
「貴様に絶望を教えてやろう」
鋼色の瞳が真っ直ぐに士郎を見据える。
嘘の色はない。
ただ事実を受け止め噛み締めろと男の目は語っていた。
「彼女が本当に得意とするのは、洋食と、菓子類だ」
「なッ、なんだってーーー！！！」
衝撃のあまり、士郎は膝から崩れ落ちた。
「先輩ッ！？ しっかりしてください！！」
後輩の心配そうな声も耳に入らない。
越せると思っていた。
いや、越すことができずとも追いつき肩を並べることはできるのだと信じていた。
だがそれは幻想にすぎなかったというのか？
まだ彼女は、己の遥か上を行くのか！？
すぐに士郎は自分の見通しが甘かったことに気づく。
そもそもバローダは日本人ではない。
八歳までを海外で過ごし、現在一年の約半分は諸外国を飛び回っている姉だ。
あの技量を持ってしてマスターしているが和食だけという方が有り得ない。
むしろ洋食が得意でしかるべきなのだ。
「そう簡単に超えられると思ったか？ 愚か者め。せいぜい理想を抱いて溺死しろ」
畳み掛けるように言葉を投げつけ、アーチャーは姿を消した。
台所に残されたのは高すぎる理想の前に呆然とする士郎と、どうすべきかとうろたえる桜。
士郎は思う。
超えんとする壁は高い。
ならば、せめて、あの男は、己が未来の可能性だけはすぐにでも越してやる。
いや、越さねばなるまい。
そうでなくば姉であるバローダを越すことなど到底無理だろう。
少年は立ち上がる。
琥珀色の瞳に炎を宿して。



衛宮家台所戦争。
主婦たちの戦いです。

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拍手返信

ver.2でせっかくのBADEDだし監禁調教廃人ルートとかどうだろうと友人に相談して怒られた天木です。
朝からの第一声がそれだったのがいけなかったのかなぁと反省しています。
表では危険すぎるネタのようですね。
ちゃんとぼかして書くヨー、精々ビトロEDのアキラぐらいまでしか想像してないヨー。
やっぱり怒られました。
Fateだと姉さまはどれぐらい強いのかいまいちわからんです。
ランサーには勝てる気がする。
ゲイボルグが効かないからなぁ……。
セイバーはエクスカリバられなければどうにか勝てそう。
キャスターには勝てる。
アサシンとは相性の問題で勝てると思う。
真アサシンには勝てる、心臓潰されても一切問題のない姉さまなら確実に勝てる。
ヘラクレスには、何分武器がないので、何回か殺すことはできても消耗戦で負けそう。
ギルガメッシュも難しいかな、宝具って幻影剣で相殺できるかしらん。
剥離剣エアと閻魔刀の能力は似てるので、どっちが強いかだと思う。
あれ、そう考えるとエクスカリバーにも勝てることになるのか？
UBWが幻影剣で相殺できるならアーチャーには勝てそう。
この二つも似てるよね。
果たしてあの姉弟が本気で殺し合いするかどうかだけど。
やたら姉さまがチートっぽいのはDMCの厨二マジックと贔屓です。
娘が可愛くて何が悪い。（親馬鹿）

さて、続きから拍手返信です。
無言パチパチの方もありがとうございます。

1月8日　0時
＞更江忍様
お久しぶりです。
寒中お見舞い申し上げます。
私はこたつにこもったまま寒さにめげず妄想の炎をたぎらせています。
更江様もお元気でしょうか？
原作の兄弟と反対の姉弟……そうですね、ご指摘を受けるまであまり気にしていませんでしたが、設定が正反対ですね。
ver.2は原作の正反対であり、ver.1の対極をゆく連載です。
それぞれ歪んだ姉弟が壊れたままそれぞれの道を進んで行きます。
拍手のダンテはアホの子です。（断言）
たまに書いていて、ここまでアレなダンテでいいのだろうかとふと思ってしまうのですが、日頃のフラストレーションやシリアスで書けない連載で溜まった鬱憤をここぞとばかりにぶつけています。
楽しんでいただけたら嬉しいです。
お勧めいただいた『逢いたいときに逢えない』ですが、ver.1のダンテだなぁと私は思いました。
切なさに胸を締め付けられながら、ver.1のダンテは乙女だなぁとしみじみ感じてしまったのは此処だけの話です。
シキティ苛めはライフワークです。（キリッ）
自分の矛盾を指摘されたシキが何を思い、どう行動するかも今後の展開次第です。
少しは人間的成長を見せてくれると嬉しいのですが、何分相手はイル・レ（笑）でカリスマwwwなもので。
次はヴィスキオ一家に苛め対象が移る予定です。
お楽しみに！
寒くなってまいりましたので風邪とインフルエンザにはお気をつけください。
では、コメントありがとうごさいました。

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