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ここは拍手返信や更新や小話が中心の女性向け二次創作ブログです。
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最近は倉橋ヨエコをよく聞いています。
『夜な夜な夜な』とか結構好きです。
いい感じに鬱な曲が多いです。
『卵とじ』みたいな明るい曲もありますが、暗い曲の方が多いですね。

地域的にFate/zeroを見られていないのですが、大層評判がいいですね。
これで虚淵作品のアニメがまた増えたのか……。
沙耶のアニメ化を期待しては駄目ですか?
ああはい、駄目ですよねー。
DMCで沙耶唄も考えたのですが、こう、しっくりこない。

すごく純粋に歌っている姉さまとか書きたいので、試作品を書いて逃げます。
何を歌っているかわかった人は天木と握手!
まあ歌詞検索すれば出るんですけどね。

囁くようなか細い声がリズムを刻む。
誰かに聞かせようという意図はないのだろう、物音に紛れてしまいかねない歌声をアーチャーは耳で辿る。
聞き覚えのある、懐かしい声。
二回目の初対面から何日も経ったというのに、彼女の声を聞く度に胸が苦しくなる。
聖杯戦争の頃の癖で姿を消して立っていた屋根から庭へと、音もなく降り立つ。
――you said it did not you? "just do it kill me"
歩みを進めるほどに声が強くなる。
霊体化というのは本当に便利なものだと、アーチャーはサーヴァントである身を幸いに思った。
誰にも――それこそやかましい過去の自分にも見とがめられることなく彼女の傍へと向かえる。
アーチャーは衾の前で足を止めた。
小さな、普段話す時よりも芯のないが柔らかい声が聞こえる。
――i just had a dream and in it you died
誰のためでもない、彼女が自分のために紡ぐ歌は柔らかく残酷だ。
それが彼女の母国語なのだと気づいていたが、やはり故郷が懐かしいのだろうか。
――and i had no choice then but to love you
すぐにその疑問の愚かしさにアーチャーは悔んだ。
帰りたい、そう願い足掻いていた少女の背を何度も見送った。
帰れない、泣き崩れた彼女に昏い喜びを覚えたのはいつの彼だったか。
――do not think to abandon or ever leave me
彼女はいつだって帰りたかっただけなのだ。
この世界でいくら親しい友人が、家族ができようと関係ない。
彼女の世界には只一人、遺されてしまった弟がいるのだから。
聖杯によってその生涯を歪められてしまったもう一人の被害者。
衛宮士郎に勝るとも劣らず、彼女は壊れている。
帰る場所を求め彷徨いながら少しずつ罅の入った心は、帰れないことを知ったその時に粉々に砕けてしまった。
直しようもないくらいに。
どうしようもないほどに。
手の施しようなど何処にもなく。
決定的に壊れてしまった。
――so wash me cut i am underwater
歌う声はゆっくりと、噛み締めるように紡がれる。
乞い願うように、寂しげに。
衾の向こう側で彼女は泣いていないだろうか。
かすれるような声がアーチャーの胸を締め付ける。
――my lungs and breathing are quite affected
彼の脳裏を占めるのは、唇の端から鮮やか過ぎるほど赤い血を垂らして色を失くしていく義姉の姿だった。
身体には無数に刃を突き立てられ、その膨大な魔力をもってしても再生することすら覚束ない。
それまでの道のりで彼を庇って魔力を使い過ぎたのだ。
――please watch me closely i dry through and through
薄く色の乗っていた白は青ざめた白蝋へと、温もりは失われつつあった。
命の水を流しながら乾いてゆく身体にいったい何ができただろう。
唇が開いて聞こえた囁きを逃さないようにと耳を近づけて。
――come shine me tear me i am underwater
摩耗した記憶の中でも忘れることのできない声。
『ごめんなさい……』
大量の失血で見えていないのだろう、宝石の如き氷色の瞳は翳っていた。
『おまえを、おいていく、のは、ふあんだけ、ど』
伸ばされた手は掬い上げる前に力なく地をかく。
彼はその手を握ることすらできず、ただ彼女の死に、自分を庇って失われていく命に怯えていた。
――relying completely on zero gravity
救いたくて、誰かを助けたくて、そんな理想があまりにも綺麗で。
そうして歩んできた結果がこれだったのか?
自分を守ってくれていた義姉一人さえも守れずに?
――and when i do melt down entirely immediately
『おまえは、いきて』
彼女の喪失はエミヤシロウの傷となり、歪な理想の裏側に刻まれた。
――bon appetit
けれども彼は歩みを止めることなく、結局エミヤシロウは彼女の存在を喰らってまで正義の味方であろうとした。
その結果が絶望と摩耗の果てに彼女が守るかつての己を殺そうとしたのだから、お笑い草だ。
アーチャーは目を閉じた。
色あせた髪をかき上げてお揃いだと笑った彼女が愛おしかった。
わざと似せた言葉遣いにどんな意味があったかなど、彼女は知らなかっただろう。
それすらも利用し自分の身代りになって散った義姉を想う。
アーチャーは来た時と同じように、音もなくその場を立ち去る。
今の彼にはきっと尋ねる資格はない。
夢の中で息絶えたのは誰だったのか。
彼女が愛しているのは……。



多分姉さまはアーチャーがいることに気づいてる。
けど何も言われないので声かけてほしくないのかなと思って無視してる。
日本語歌詞の方が打つの楽だけど、折角英語で歌える人なので英語で。

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