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ここは拍手返信や更新や小話が中心の女性向け二次創作ブログです。
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データ回収はほぼ済んだので、今度の更新は拍手お礼にしようと思っています。
けれど、拍手だった『姉弟共闘』のNGシーン集がなくなってしまいました。
うぅ、気に入ってたのに。
今後フラッシュメモリを過信しすぎないようにします。
おのれKINGST○NE!!(ほぼ伏せてない

ネヴァンキッス後の四人を追ってみました。
デフォルト名はいつも通りバローダです。
『』←英語
「」←日本語

『ああ、ほら生クリームがついてる』
『ん』
無言でもくもくとパフェと食べ続ける男と甲斐甲斐しくその面倒をみる女を眺めながら、カフェで宿敵と並んで座っている折原臨也はどうしてこうなったと思わざるを得なかった。

臨也が明後日の世界を見つめている十分前。
池袋最強の男と情報屋は体中の力が抜けた状態で後ろ首を掴まれ、あまつさえそのまま引きずられていた。
成人男性を引きずる外国人というのはただでさえ目立つ。
しかも引きずられている人物が池袋名物と言っても過言ではない、ド派手な喧嘩を行う二人組であれば。
衆人はダンテとバローダを見て目を剥き、更に臨也と静雄に気づくと硬直して即座に視線をそらした。
いかにも引きずられている二人の危険度を知っている池袋住民らしい対応である。
今頃ダラーズの掲示板ではこの話で持ちきりだろう。
遠くでシャッター音が聞こえた気がして、臨也はいかにこの情報を制限するかを考えた。
正直、恥である。
静雄に投げられたゴミ箱が直撃した瞬間を後輩に見られていた時の比ではない。
だが人の口に門は立てられないもので。
噂が薄れるまでは当分外に出ないことが得策かと考えていること、それ自体が現実逃避だと臨也は痛いほどにわかっていた。
一方静雄は、これが弟や友人のセルティ、先輩であるトムなどに見られることだけを危惧していた。
元々その体質故、彼は他者の評価をあまり気にしない性質である。
心配なのは知人に見られた時のことであった。
顔を隠しても金髪のバーテン服の男なんて早々いない。
情報屋などという胡散臭い職業の臨也は引き籠ることが可能だが、借金取り立て屋の静雄はその限りではない。
恥ずかしくても逃避行動ができないことが、静雄の心に影を落としていた。
他方、バローダは自分たちに向けられる不躾な視線と、隣を歩く弟の不機嫌さに辟易していた。
特に後者は早急に解決しないと、後々自分の身に降りかかるだろう。
二つの悩みを同時に解決すべく、バローダは足を止めた。
「おい、折原。この辺りにあまり人気のない飲食店はないか?」
ストロベリーパフェが美味い店ならなおいいと、引きずっている『荷物』に声をかける。
気だるげな視線がバローダを見上げる。
「なんで俺がそんなこと教えなくちゃいけないの?」
ストロベリーパフェが美味しいかどうかなんて知らないよと臨也は嘯く。
バローダはじっと臨也を見据えた後、小さく舌打ちをした。
「使えん」
一言でばっさりと切り捨てる。
言葉を一切飾らないからこそ、かなり傷つく言い様だった。
流石に使えない扱いされるとは思ってもいなかったのだろう。
臨也は秀麗な顔を引きつらせて言い返す。
「なにそれ、なんで俺がそんな役立たずみたいな言い方されなきゃいけないわけ?」
「使えんから使えんと言ったまでだ」
にべもなく返された言葉の刃は臨也のプライドを大いに傷つけた。
再び歩き出すバローダに引きずられながら、周りを見回して場所を把握する。
頭の中で地図を展開し、先ほど上げられた情報に当てはまる店をピックアップする。
「そこのか「店なら、そこ右だ」
自信満々に言おうとした言葉は隣からの声に掻き消された。
同じように引きずられている静雄が声を上げたのだ。
ちらと青い目が静雄を見下ろす。
「目立つのは困る」
「俺が常連でいくぐらいだからな、あんま人は来ねーよ」
これはマズい。
臨也は危機感を覚える。
このままでは本格的に役立たず認定されてしまう。
「ちょっとシズちゃ「そこ、ストロベリーパフェは美味いか?」
「な、人のはな「俺が食ったのはプリンパフェだったけど美味かった」
「きいて「なら、そこにするか」
「……」
悉く発言を潰され臨也は意気消沈した。
情報で人を操るといっても、その情報を提示することもできないなら手も足も出ない。
体は動かず自慢の逃げ足もナイフの腕も発揮できない今、残るは顔面偏差値高得点を誇る美貌くらいのものだが、それも通用しないことはわかっている。
何せキスされたあの時、相手は近くにある臨也の顔に対して眉一つ動かさなかったのだから。
アイスブルーの瞳には興味関心など一欠片も浮かんでいなかった。
せめて恨めしげに静雄を睨むと、うっとおしい視線に気づいた静雄が臨也を見てにやりを笑った。
ざ ま あ み や が れ
声もなく唇の動きだけで言葉を伝えると、静雄はもう一度にやりと笑みを浮かべてから、臨也から顔をそらした。
小さな、ほんの些細な出来事ではあるが、臨也が静雄にやり込められたわけである。
特に高校時代の同級生メンバーなどからは無下にされたりすることは多い臨也ではあったが、まさか静雄に暴力ではないやり方で僅かなりとも敗北感を感じるとは思ってもみなかったのだ。
今日はプライドが傷つけられっぱなしである。
「後で覚えてろよ……」
静雄と、ついでに自分を引きずりまわしている張本人に向かって小さく毒づくことしかできなかった。

そのままあれよあれよと言う間にカフェに放り込まれメニューを注文される。
四人席でダンテとバローダ、静雄と臨也が隣り合わせに座っていた。
静雄と臨也がその席順に反発しようとしたら、バローダが一言、二人に聞こえる程度の音量で呟いた。
「もう少し吸っておくか……」
二人がぴたりと黙ったのは言うまでもない。
バローダはメニューにさっと目を通すとストロベリーパフェがあることを確認し、店員を呼んだ。
「ストロベリーパフェとコーヒー3つ」
「かしこまりました」
残念ながら静雄と臨也に選択権はなかったようだ。
もう一度屈辱的なあの方法を行われるまいと口を閉ざしていたのも悪かった。
バローダは自分の前に置かれたパフェをダンテに回し、ダンテの前に置かれたコーヒーに悠々と口を付けた。
「……って貴女が食べるんじゃないの!?」
臨也の渾身のツッコミもなんのその。
コーヒーカップをソーサーの上に戻すと、ダンテの食べている姿に目を移す。
『美味いか?』
『悪くないな』
食べるスピードから見て、ここのストロベリーパフェの味を気に入ったのだろう。
機嫌も少し上向きになったようだ。
『そうか』
ならばよかったと心の中で呟きながら、バローダはちらりと正面に並ぶ二人の青年を観察する。
どちらも一度会ったことがある。
大体ネロと同じ年頃だろうと、元の世界にいる可愛い息子を思い出して少しだけ頬を緩めた。
性格、外見、共に正反対と言っても過言ではない二人組だ。
同じなのは年齢と性別くらいのものだろう。
故に喧嘩をするのはわかる。
根本的にそりが合わないのだろう。
そういう人間は確かにいるのだ。
だがその規模が問題である。
何せバローダは一度目は標識、二度目は公園のゴミ箱に襲撃されたのだ。
相手が半人半魔であったからよかったものの、普通の人間だったらどうするつもりだったのか。
よくて打撲、下手したら首の骨が逝きかねない。
もう少し周りへの影響を自覚して行動してほしいものだとバローダは思う。
自分が普通の人間でないだけ、余計に。
パフェを黙々と消化するダンテを何処か羨ましそうに見ている静雄に意識を向ける。
この青年は誰かを殺してしまった時、果たしてどうなってしまうのだろうか。
折原臨也に関しては、たとえ人を殺してもいくらでも対処ができるだろう。
揉み消し、なかったことにするくらいは簡単そうだ。
情報屋という仕事上、いくつかツテも持っているはず。
だが、この平和島静雄という青年にはそれがない。
勢いで誰かを殺してしまえば警察に捕まって、よくて刑罰、悪ければ国の研究機関行きといったところか。
それはあまりにも哀れだ。
だが、バローダは何もしない。
警告以上の何かをしてやるつもりもない。
当然だ、静雄はすでに成人し自立した大人である。
就労している成人男性に、しかも世界すら違う他人対して、わざわざ面倒をみる必要などないのだ。
『ダンテ、一口よこせ』
夢中でパフェを攻略しているダンテに声をかける。
銀のスプーンの上で白いクリームと赤いイチゴが燦然と輝いていた。
『なんだ、食べたいのか?』
からかうように笑うダンテを横目に、バローダはコーヒーを一度すすった。
『味がわからないと作れないだろう』
お前が気に入ったようだからなと目を合わせずに呟く。
カップとソーサがぶつかってかちゃりと音を立てた。
ちらりとバローダがダンテに目をやると、机にうつ伏せてぷるぷる震えていた。
機嫌も治ったようだし意外といつものことなのでバローダは気にしない。
その代わりのように青年二人組はドン引いていた。
思わず顔を合わせて視線を交わす。
何アレ、知らねーよ、双子ってアレなのバカップルって法則でもあるの、いやむしろ外国人だから動作がオーバーって可能性もあんだろ、それにしてもあれはない。
この間五秒である。
すっと上体を戻したダンテは、何事もなかったかのような平然とし顔で姉にスプーンを差し出した。
バローダも素直に上に乗ったフルーツとクリームの混合物を口の中に招き入れる。
艶やかなピンクの唇に白いクリームがついた。
猩々色の舌がぬらりと唇の間から姿を現し、クリームを舐めとっていく。
あの舌がさっき自分を翻弄し腰砕けにしたのかと思うと、その卑猥さと色香に静雄と臨也はいたたまれない気分になった。



自重しない双子その二。
こいつら動かすと臨也と静雄の存在感がログアウトするので自重してほしい。
でも自重しない、そんな熟年夫婦。

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