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ここは拍手返信や更新や小話が中心の女性向け二次創作ブログです。
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拍手小説書いてたら猫の日に気付かずスルーするところでした。
危ない危ない。
猫好きちゃうねん、動物全般好きやねん。
飼ってるのはゴールデンレトリバーです。
割と爬虫類とかも好きです。
可愛いです。
可愛いの範囲が少々広いようですが気にしたら負けです。
エイリアン可愛いと思うんだけどなぁ?
2月なので今回は2様で猫の日です。
微妙に過ぎちゃったけどセーフですよね?


ふわふわの毛が生えた三角形の耳がぴこぴこと動く。
「この歳で猫耳ってのはなぁ……」
ちょっと厳しいだろうと言うのは猫耳猫尻尾を生やしたバローダ、御歳四十○の女性だ。
外見年齢はそれを軽く裏切るが、実年齢はもう五十路を目の前に控えている。
困ったように頬を掻くが、羞恥で薄らと赤らんでいるのは隠せない。
これが弟や息子に生えたものならば喜んで可愛がるというのに。
何せ二人は慣れている。
今までも猫耳猫尻尾は幾度となく生えた。
バローダ以外に。
バローダは時折シャドウに似た白銀の獣に身を変えることはあっても、元の姿のまま猫化することはこれまでなかった。
それが今頃になってこれだ。
恥ずかしがらないわけがない。
「そんなことない。可愛いよ母さん」
ネロは全体を見た後、うんうんと一人納得しながら励ます。
が、まったく励ましになっていない。
むしろ恥ずかしさを煽るだけである。
「あまり見るな……」
「俺に生えたら写真まで撮るじゃないか」
「子供はいつまで経ったって可愛いんだから仕方ないだろう!?」
不満げなネロを宥めるようにバローダは主張する。
だがその主張も真っ当でない辺り、案外彼女も焦っているのかもしれない。
ぴるぴると耳は震えながら伏せられている。
尻尾は項垂れ、自分の身体に隠れようとする涙ぐましい努力を感じる。
『麗しいです、バローダ様』
「閻魔刀、今その言葉はあまり嬉しくない」
従者の必死の言葉を斬って捨てる。
この時ばかりは長年仕えてくれている魔具に対してもバローダは辛辣だ。
主人の言葉に閻魔刀は心なしか寂しげだ、刀だけど。
「似合ってるのに、なー?」
『ネロ様もこう仰っていますのに……』
「それでも恥ずかしいものは恥ずかしいんだ、察しろ。ああもう、そうしょげるな」
閻魔刀を膝の上に乗せ、ネロの頭を撫でる。
それだけで空気を変えてしまうのだから、彼女は人の扱いをよく知っていると言えるだろう。
「ダンテが仕事でよかった、本当によかった……」
安堵のため息を漏らしたバローダの正面で、頭を撫でられていたネロが焦りを表情に出した。
やばいと焦る彼に、バローダはいぶかしげな顔をする。
「どうしたネロ?」
「あの、さ、母さん。言っても怒らない?」
「ことによる」
ああ絶対怒るよなと思いながらも、後でバレた時よりは自己申告の方がマシだろうと勇気を振り絞った。
携帯の画面を母親の前に向ける。
「ごめん! ダンテにメール送っちゃった!」
そこには猫化したバローダの写メが、無慈悲にも送信済みと表示されていた。
送信時刻は10分前、いくら現場がそう遠くないとはいえダンテが受けたのは一週間はかかる仕事で今日はまだ二日目だ、まさか帰ってくるとは思えないが。
冷や汗がバローダの頬を伝う。
嫌な予感が渦巻いていた。
ネロへの制裁は一先ず置いて、閻魔刀を抱え逃げようとするバローダの耳に、バイクの排気音が響いた。
まさか。
まさかまさかまさか!
バイクの爆音は事務所の前で止まった。
ついで固まった二人の間をぶち壊す様に勢いよくドアが開く。
「I'm home」
入り口はすでに塞がれた。
バローダは悟らざるを得なかった。
弟に、よりにもよって最愛の恋人の目にこの姿を晒さなくてはならないことを。
「それじゃ俺は邪魔になるし」
そそくさとネロは二人を置いて逃げてゆく。
ダンテも去ってゆく息子を見逃した。
当然だ、彼の獲物はネロではない。
目の前で息子に逃げられて恨めしげな顔をしている猫の方だ。
「や、やあダンテ、早かったな……」
「ああ、急いで終わらせてきた」
言葉を返しながらも瞳はせわしなくバローダの身体を見ている。
居心地悪い思いにバローダが身じろぐと、ダンテは一つ頷いた。
「首輪はやはり青だな」
「ダンテッ!?」
何を言い出すのかと怯える姉に彼は美しく微笑んで見せた。
あ、これ死んだ。
バローダは明日の自分が腰痛で動けないことを覚悟した。
「さあ、バローダ」
ひょいとダンテは最愛の姉の背と膝に腕を回し、しなやかで官能的な肉付きの身体を至って自然な動作で掬い上げた。
閻魔刀は取り上げ、ソファの上に置いておく。
「Shall we dance?」
もちろんのことながら、彼女に拒否権など最初からなかった。

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