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なんでケイスケとビトロ様の方がいい作画なんでしょうね?
シキティはそろそろOPの顎をどうにかすべき。
グンジは相変わらず可愛いけど、キリオはムキムキ度が足りない気がするのは私だけでしょうか。
最近はFateが気になっています。
弓兵いいよ、かっこいいよ。
赤くて銀髪で強ければなんでもいいのかと言われそうですが、違いますよ!
黒髪とかも好きですよ!?(そこじゃねぇ)
続きからはまさかのキャラEDです。
どうぞ、ご笑覧ください。
日興連とCFCの戦争により男は全てを失った。
失ったかに、見えた。
だが彼の元には限りなく反則に近いジョーカーがあった。
全てを失うや否やの瀬戸際、彼は躊躇いなくその切り札を切った。
トシマという悪徳の地に栄えたヴィスキオを統べた男は、新天地でもって遺憾なくその手腕を発揮し、かつてと同様の地位を手にした。
時と場所が変わろうとも彼のやることは変わらない。
己の欲望を満たし、他者の願望を煽ってみせる。
そうして彼という悪は咲き誇るのだ。
暗い部屋に充満するのは熟れ過ぎた果実に似た、甘ったるい芳香。
すでに耐性を持っている男にはどうということはないが、それ以外の者には思考を蝕む毒でしかない。
擦り寄ってくる愛らしい狗の頭を撫でながら、男はその唇から蜜のような毒を吐く。
「お目覚めかな?」
青年というには歳若く、少年というには少しばかり成熟している。
ちょうどその中間、瞬く間に消えてしまいそうな時期の男を目の前に、仮面を着けた男は恍惚と笑んだ。
好みの獲物を目の前に、今にも舌なめずりせんばかりの男は項垂れる男に興奮気味に話しかける。
「君は両親に売られた、それは理解しているかね?」
薄く目を開いた男が、自分の尋常でない状況に気づいて震える。
目の前には好色そうな男が、少年を従えていた。
銀髪の少年は黒いボンテージに身を包み、口と目を革の枷で塞がれている。
四つん這いで歩くその姿は『人』とは程遠い。
これが自分の未来の姿かと、年若い男は戦慄した。
だがその恐怖も甘い香りに呑まれていく。
――両親に売られた。
その事実が彼の身に重く圧し掛かり、身の抵抗を奪う。
実の父と母ではなかったが、仲は悪くなかった。
少なくとも彼はそう思っていたのだ。
だが自分が売られたということは、余程経済状況が切羽詰まっていたか、疎まれていたということだ。
どちらにせよ、自分はそれに気づくことができず、こうして帰る場所を失った。
仮面の男はその表情から絶望を見て取り、愉悦を感じていた。
だが、絶望するにはまだ早い。
「さっ、見たまえ」
甲高い声の男が示した先は真紅のビロードが張られたソファだった。
中世ヨーロッパのいかにも高価なデザインのそれには、二つの人形が全裸で寝そべっている。
よくよく見れば彼らの胸部が一定の間隔で上下していることがわかっただろう。
そして、それが若い彼と同じ年頃の青年たちであることも。
石畳の床を見つめる虚ろな瞳には意思の光などない。
正しく彼らは人形だった。
ただし、かつては意思を持ち、今も尚生きている人形だ。
「彼らは私の素晴らしき作品たちだ」
声は誇らしい響きを伴って青年の鼓膜に伝わる。
続いて、男は隣にいる少年を指し示す。
「もちろん、この子も」
ああやはりと、青年は思った。
先に感じた恐怖は間違っていなかった。
自分は素材なのだ。
男は自分を『作品』とやらに仕立て上げたいのだろう。
仮面から覗く瞳は欲望に満ちていた。
体は動かず、逃げ出す気力もない。
優雅だがその格好のせいで滑稽に見える足取りで男は青年に近寄り、手袋に包まれた手で顔を上げさせる。
「君も私の素晴らしき作品のひとつになれるのだ、光栄に思いたまえ」
囁くような言葉が青年の耳から入り抜けてゆく。
既に半ば朦朧とした意識が男への反論を許さない。
カタンと、物音が聞こえて仮面の男は素早く後ろを振り向いた。
愉しみを邪魔されたその表情は険しい。
「誰だねッ!」
神経質で耳触りな声が部屋に響き渡り、新たな人影が部屋の中へと足を進めた。
「すまない、邪魔をするつもりはなかった」
鮮烈なまでの青と銀。
霞がかった視覚で認識したのはこれだけだった。
心地いいアルトが耳奥に沁みた。
「ああ、なんだ君かね」
何処かほっとしたような男の声が『作品』を紹介した時よりも優しいのは気のせいだろうか。
「この子が新しい子か?」
「そうだ、中々可愛らしい顔をしているだろう?」
銀と青の人影は青年の前まで歩み寄ると、しゃがんでその顔を眺める。
青年の意識は突然目の前に現れた宝石のように煌めく薄氷の双眸に奪われた。
「なるほど、アルビトロが好みそうな顔だ」
アイスブルーが離れ、青色――この時青年はそれがコートであることに気づいた――が翻る。
咄嗟に青年はその裾に手を伸ばして掴んだ。
力ないそれは簡単に外れたが、青年は残念さよりも、それによってアイスブルーが再びこちらに向いたことに歓喜を覚える。
「おやおや……」
困ったようで愉しげな声が降り注ぐ。
上から青年を見下ろす瞳には僅かな驚きがあった。
「薬があまり効かない子なのかな?」
頬に伸ばされる手に、青年は手を重ねようとゆるゆるとした動作で持ち上げようとする。
それを制したのはヒステリックな男の声だった。
「やめたまえッ!」
言葉と共に白い手が叩き落とされる。
持ち上がりかけた男の手が赤く色づいた。
仮面の男は目まぐるしく口を動かしながら、人影を青年から離そうとする。
「早々に躾ける必要があるようだッ! ……君は今日のところは此処に入らないで頂きたい」
青年に吐き捨てるように告げながら、続いて青の人影に向けた言葉は優しさと恭しさを兼ね備えている。
「わかった。狗は連れて行っても?」
「構わんよ」
「そう。おいで狗」
人影と共に仮面の男に寄り添っていた少年が手足で地を這ったまま部屋を出る。
ガチャンと重い音を立てて重厚なドアが閉まった。
ぎりっと奥歯を噛み締める音が響く。
「彼女に触れようなどとッ! なんということをするのかねッ!?」
激しい口調から男が激昂していることがわかるが、青年にはもはやどうでもよかった。
あの青を目に焼き付けたでいられるならば、幸せだと思えた。
ひとしきり怒鳴ったあと、怒り冷めやらぬ口調で仮面の男が告げる。
「まず、その癖の悪い手は切り取ってしまおう! もちろんッ!麻酔など使わずに、だッ!」
青年にもわかった。
男の感情は怒りは何からきているものか。
この男もあの青に魅入られた一人なのだと。
まさかのアルビトロEDです。
え、結構楽しかったです。
狗可愛いよ狗。
今後炙りトロアルビトロ様は連載の中でも出る予定です。
お楽しみに!