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ここは拍手返信や更新や小話が中心の女性向け二次創作ブログです。
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先日、中学の頃の友人たちと遊んできました。
高校の友人よりも中学の友人の方が連絡することが多いという。
オタ友だから仕方ない。
カラオケ楽しかったです。
明日アパートに戻ります。

今回は24時間戦争コンビと姉さまな感じで。
デフォルト名はバローダですよ。
近々サイトにまとめて名前変換対応にしてupしたいです。

年を食ってから口よりも視線が雄弁なダンテは、その日は朝からミニスカートを両手に持ち、姉に迫っていた。
この時重要なのは、何も言わないことだと彼は経験上知っていた。
口にすれば反論され、話を逸らされ誤魔化され言いくるめられてしまう。
語彙と弁舌に関しては圧倒的に姉の方が有利なのだ。
だが、無言でいる分には、バローダは手も口も出せない。
ダンテに対して基本的に筋の通ったことしかしない彼女は、見ているからという理不尽な理由で暴力を振るわない。
時折スキンシップという名の八つ当たりを食らわせることはあるが。
そこからは互いの精神力による勝負である。
こちらはダンテが有利だった。
バローダはダンテに甘い、甘すぎるぐらいに甘い、ベタ甘である。
それをどうにかして隠そうとしているのだが、隠しきれていない。
何年経っても弟は可愛いのだと本人は主張するだろう。
ダンテがこの世界で少し目にした雑誌によると、彼女のような人を『クーデレ』と呼ぶらしい。
少しばかりデレが多すぎるので、『クーデレデレ』がふさわしいかもしれない。
日本の文化はまったくもって面白い。
そんなクールなふりをしてデレデレなバローダが、ダンテに勝てるはずもなかった。
いつも通りと言い切ってしまえるほどの勝率で視線に根負けして押し切られた姉は、ちょっと間違った日本文化を会得してしまった弟によって、五十路間近にしてミニスカニーソという格好で池袋の街に繰り出した。
ダンテが服を用意したのにサイズがぴったりだったのは、愛がなせる業か、双子の神秘か。
服装と外見に違和感が全くない辺りは、年齢不詳な半人半魔の恐ろしさである。

二人の悪魔は今日も昼間の池袋を闊歩する。
昼間だから悪魔はそう現れない、どころかこの世界には悪魔が一匹もいない可能性が高い。
それならばそれでと、ちょっとした旅行気分で二人はこの世界にもう少し滞在することを決めていた。
だが、とバローダは思う。
ダンテが余計な知識を身に着ける前に、さっさと帰ればよかった、と。
目の覚めるような青色のキャミソールワンピースに、キャラメル色の柔らかい革のライダースジャケット、膝まである長いソックスは黒である。
著しく行動が制限された格好に、どうせ悪魔はいないのだからとダンテはひどくご満悦の様子だった。
バローダの体術は蹴り技が主体であるが、太腿半ばまでしかないミニスカートでは下着が見えてしまう。
せめてショートパンツかレギンスをと願った意見は、妥協を許さないダンテの前に敢え無く散った。
歳を取って更にあしらいにくくなったと思わずにはいられない。
ふう、と本日幾度目のため息を吐いた彼女が目にしたのは、人ごみの中ぽかりとそこだけドーナツ状に穴が開いている様子だった。
その近くを通る誰もが怯え、恐怖、興味、あるいは危険なものから身を避ける為の無関心を貫いている。
意識を少しだけやると聞こえてくる怒号と嘲笑に、あの二人かと最近出会った青年たちを思い浮かべた。
『あの坊やたちか……』
バローダが視線を向けている方をちらりと見てダンテが呟く。
ダンテはある種の戦闘狂だが、人間相手にその力を振るうことはしない。
自販機やゴミ箱、ナイフが飛び交うそこを眺めては、あの二人が悪魔だったら面白かったのにと思う。
そうであれば一瞬でも姉の意識を奪った奴らを、即座に八つ裂きできる。
これは嫉妬だ。
下らなく愚かで醜い嫉妬だ。
実際は、二人は人間であるし、ダンテもその力を振るうことはしない。
ただし、余程のことがない限り、であり、それは絶対ではない。
ダンテとしてはその余程のことが起こることを心待ちにしているわけではないが、少しばかり期待せずにはいられなかった。
平和は退屈だ。
埃と血と硝煙の香る戦場こそが自分たちの居場所なのだと彼は遠い昔に思い知らされた。
今更ただの人間のようには生きられないのだ、自分も、姉も。
何日か過ごして何事も起こらなければ早くあの世界に帰ろうと彼は言うだろう。
そして姉はそれを静かに承諾するだろう。
平和な世界で、刃の煌めきと銃声が恋しくなる自分がいる。
バローダも時々自分の左手を握り開いてみては、眉を顰めている。
いつもは閻魔刀を持つ手に何もないと違和感があるのだろう。
それはそれとして、明るいところでは滅多に拝めない姉の生足を楽しむダンテもいるわけだった。
だが日常が破られる時というものは、すべからく予兆などなしに訪れる。
そして、今日この日、ダンテの至福の時間は弾丸のごとく飛び来る公園のゴミ箱によって終了を告げられた。
既知感を覚えたのはギターケースでそれを上に打ち上げ、ついでにそのまま追い討ちをかけて地面に叩きつけたダンテだけではないだろう。
どうやら人ごみのクレーター部分に近づきすぎていたらしい。
池袋の今日の天気は、晴れ時々ゴミ箱、所によっては自販機が降るでしょう。
そんな天気は嫌過ぎる。
ひしゃげたゴミ箱を片手で持ち上げたバローダが、クレーターを作り上げている二人に近づいていく。
巻き込まれるのは二回目だ。
一度目は喧嘩している二人の片方しかいないので説教で済ませた。
だが今回は二人とも揃っている上に、未だ喧嘩を続けている。
他から見れば殺し合いでも、ダンテとバローダからすればまだ可愛いものだ。
鉛玉も真剣も飛び交わない分、平和な喧嘩である。
人に迷惑をかけないよう思い知らせるだけで済むだろうと、姉の背を追いながらダンテは思う。
そこでどんな方法かを考えなかったのがダンテの敗因だった。
目の前でじゃれあう二人の男に、バローダは呆れながらもどこか微笑ましいものを感じていた。
あるいは独り立ちしたネロを重ねているのかもしれない。
年の頃もそう遠くないだろう。
バローダは息子は元気だろうかと考えながら、ゴミ箱を持っていた右手を振りかぶり、まずはちょこまかと動いている折原臨也に向かって投げつけた。
ひゅんと空気を切り裂きながら飛来したゴミ箱は、嫌味たらしく笑いながら静雄を挑発していた臨也の体に直撃する。
まるでピンボールのようにゴミ箱が当たった臨也は、勢いと重さに押しつぶされ、突然目の前の相手が倒れた静雄は目を開いて唖然と固まった。
首にネリチャギを喰らわせてやろうかと思ったのだが、現在の格好を考慮して、バローダはバーテン服の胴体にボディーブローを一発入れるだけにしておいた。
拳を軽く握り、引き付けた腕を油断しきっている体に真っ直ぐ打ちつける。
軽く浮き上がった静雄を眺めながら、どうにか手加減できたようだとバローダは安堵に拳を緩めた。
周囲の人ごみがざわめくのを感じながらも、どうせすぐに自宅に帰るのだから問題ないだろうと、バローダは遠慮というものを棚上げに対応することを決めていた。
「なんだ……!?」
素早い踏み込みで無事着地した静雄の背後に回り、音もなく足払いをかける。
体が倒れきる前にシャツの襟首を右手で掴み、ついでに立ち上がろうとしていた臨也の襟首も左手で掴む。
『行くぞ』
傍観していたダンテに声をかけると大人しく隣まで歩いてきた。
『持つか?』
『片方頼む』
静雄がバローダの手からダンテに引き渡された。
「ちょっ、なんだよあんたたち! シズちゃんはいいとして、俺は離してよ!!」
「んだとてめぇクソノミ蟲が! マジ死にやがれ!!」
「あー、もうシズちゃんちょっと黙っててよ。俺はこの二人と話してんの!」
耳障りなことこの上ない。
襟首掴まれ引きずられているというのによく喋れるものだ。
バローダは思案する。
黙らせる方法はいくつかあるが、相手はただの人間であることから穏便にいきたい。
その中でも手っ取り早く、かつ相手の抵抗する気力ががっつりと削がれる手段を決行することにした。
「ホント、なんなわけ!? っていうか人のこと引きずるのってどうかと「うるさい」
引きずっていた臨也をそのまま猫の仔のように持ち上げる。
流石に首が絞まったのか少し大人しくなった臨也と目線を合わせた。
アイスブルーが黒に紛れた赤を冷たく射抜く。
「……やあ、なんだ貴女か。どうも」
以前会った相手であると漸く視認できたのだろう。
突如ゴミ箱を投げつけられて背後から襟首を掴まれていたのでは、誰の犯行かわかりようがない。
だが相手がバローダ――つまるところ臨也が池袋にいることを確認している三匹目の化け物であるならば、静雄を連行できることも納得できる。
なるほど彼女ならゴミ箱ぐらい軽く投げられるだろうと臨也は肩の力を抜いた。
すでに捕まっている以上、反抗は無意味だ。
只の、臨也の愛すべき人間であるならば話は別だが、化け物に捕まってなお逃げ出せるとは彼自身思い上がっていない。
だが嫌味ぐらいならば許されるだろうと口を開いた臨也だったが、思わぬ形でそれは塞がれた。
言葉を紡がんとする唇に、バローダの艶やかな唇が重ねられる。
「な……」
驚いたのは臨也だけではない。
ダンテも静雄も、様子を伺っていた周囲の人間も顔中に驚愕の意を示していた。
開いたままだった口からぬるりと這入ってきた舌に、臨也は意識を奪われる。
柔らかい舌は敏感な口内の粘膜を擦り上げ、好き勝手に蹂躙してゆく。
その巧みな技に臨也は仕返しも反攻もできない。
仕上げとばかりに吸い上げられ、男としてのプライドを傷つけられた臨也は言葉で反撃しようとする。
だが、足に力が入らない。
バローダが掴んでいた襟首を離すと、コンクリートの地面でしたたかに腰を打った。
起き上がろうとして、足どころか全身に力が入らないことに臨也は気づいた。
「な、に……これ……」
「ただの体力吸収だ。知り合いの淫魔に昔教わった」
実地でとは言わなくてもいいことだろう。
嫉妬に燃えるダンテを視線で宥め、複雑な目で宿敵を見る静雄の顎に手を伸ばした。
しゃがみ込めば後ずさりしようとその体を震わせる。
自分が何をされるのか、見てわかっているのだろう。
とんっとダンテの長い脚に阻まれそれ以上後退を許されない静雄は、逃げ出そうと周囲に目をやり、武器を探す。
かくなる上はと掴んだダンテの脚は引いてもピクリともしない。
握った手ごたえは固いが、それだけだ。
破壊できないわけでも、投げられないでもない。
そのはずだというのに。
「んで……っ!?」
疑問を呈する暇もなく、冴えたスカイブルーが上から静雄を見据える。
『次はお前だとよ』
軽く押された背がやけに熱い。
バローダは咎める様な視線をダンテに向けるが、ダンテは顔をふいと背けるだけだった。
先にこちらを処理するかとバローダは静雄の顎に手をかける。
「おい、やめろ! やめろって!!」
「偶然とはいえ私に二回も物を投げたのが運の尽きだったな」
秀麗な顔が静雄に近づき、やがて重なった。

こうしてまた、池袋に新たな伝説が生まれる。



以前言っていたネヴァンキッスを決行できました。
超満足です。
相変わらず臨也の喋り方が不明すぎる。
一つ間違えるとオカマっぽくなるんですが、まあネカマだからいいか。

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