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ここは拍手返信や更新や小話が中心の女性向け二次創作ブログです。
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最近Fateネタばっかり頭の中で出てきて仕方がないです。
需要ないのはわかっていても書きたい乙女心。
DMCはなー、一回もやってない2ネタとかやってみても面白そうな気がするんですけどね。
3が多いのは私が最初にプレイしたのが3だったからです。
IF ver.1もそろそろ続きのナイトメア戦という名の苦行に入りたいと思うのですが、最近またスランプ気味でして。
お前調子いい時あるのかというつっこみはしないであげてください。
ということで、下は前回の続きです。
姉さまが帰宅した時の続きです。

「士郎」
みんなが囲む食卓と少し離れた場所で、半月ぶりの再会を果たした姉弟は膝をつきあい座っていた。
当然のごとく、正座で。
「どういうことか、説明してもらえるな?」
帰宅するなり明らかに尋常でない力を持つ者に敵意と剣を向けられ、苛立たない者がいるだろうか。
少なくともバローダは怒りを覚えない程、鈍感でもできた人間でもない。
それ以上に彼女には義弟に憤る権利を持っていた。
「同棲? 同居? どちらにせよ連絡が無かったのはどういうことだ」
女性の友人が増えたのも、それが家に遊びに来ているのも別段構わない。
むしろ歓迎すべきだ。
だが、それが一つ屋根の下で暮らしているとなると、また別の話になる。
ましてや世帯主に何の連絡もないとなると。
「えっと、そのー……」
一方、士郎はどこまで話していいのか困っていた。
魔術関係は一般人に話すことは禁じられている。
魔術の師匠である凛に視線で窺うと、士郎の意図を読み取って頷く。
誤魔化せということだろう。
凛の横で彼女のサーヴァントである弓兵は必死に首を振っていた。
何が言いたいのかわからないが、異様に真剣な瞳が気になる。
正直に話せというのだろうか。
だが士郎は義姉であるバローダを魔術関係に巻き込むつもりはない。
義父と義弟が魔術師でありながら、彼女は魔術と関わらずに生きてきた。
現在は半月ごとに外国と日本を行き来する職に就いている。
何でも特殊技能の職業らしく、中卒であるにも関わらずかなりの高給取りだ。
バローダは元々英語圏の出身らしく英語も日本語も堪能なので、士郎は語学関係の仕事だと思っている。
「えっと、セイバーは切嗣の知り合いで頼って来たんだけど、切嗣が死んでるの知らなかったらしくて、あと切嗣に俺のこと頼まれてたらしくて、追い出すのも何だからって今は家で一緒に住んでます……」
「ふむ……」
続けろと目で促され、士郎は以前大河に言ったのと同じ言い訳をする。
「遠坂は、家が改装中でホテルに住もうとしてたのを俺が誘ったんだ。ほら、セイバーもいるから女の子一人で家に住まわせるより安心だと思って」
「ほう」
氷色の瞳が凛を捉える。
思った以上に冷たい色に肩を震わせながらも、凛は世帯主に静々と頭を下げた。
バローダはその隣にいるアーチャーとセイバーを流し見て、また士郎に視線を戻す。
「で、だ」
「はい……」
部屋中に轟くような低い声に、士郎は義姉の顔を見るのを避けて畳を見た。
バローダは腕を組んで、指先で腕を叩く。
とんとんとんとん、
彼女の苛立ちが刻まれる音から伝わるようだ。
「お前はそんな言い訳が通じると思っているわけか?」
「待ってください、衛宮君のお姉さん! 本当なんです!」
慌てて凛がフォローのため二人の会話に入ろうとするものの、殺気や敵意でない、純粋な怒りを向けられ怯む。
「すまないが、今は士郎と話しているんだ」
にっこりと浮かべる微笑は優美ですらあるが、実情は「部外者は黙っていろ」ということだ。
横で立ち上がりかけたセイバーと悔しげに唇を噛む凛を宥めながら、アーチャーは士郎に憐れみを向けた。
だから言ってしまえばよかったものを。
「話を聞いてくれバローダねぇ!」
納得させようと目を合わせた瞬間、士郎は死を覚悟した。
彼女は義弟の言い訳を一切信じていない。
それどころか無駄に言い訳を重ねる士郎に怒りを深めている。
彼は口を閉ざし、義姉に首を差し出す様に項垂れた。
はぁっと息を吐く音が聞こえる。
「聖杯戦争だったか……面倒を残して」
バローダの発言に目を剥いたのは、アーチャー以外のその場にいた面々だった。
彼女が魔術の関係者だなんて聞いていない。
「知ってるのか!?」
「知っているとも」
嫌そうにまたため息を吐くと、一瞬にして顔を真剣なものへと変えた。
アイスブルーが宝石のように煌めき、表情を失くした白い面はよくできた人形のように見える。
「士郎、お前が私に言っていないことがあるように、私もお前に言ってないことが結構ある」
「はい……」
「実はな、私の仕事はフリーランスの死徒狩りで、その関係で魔術の存在も知っているんだ」
「「は?」」
声を出したのは凛と桜だ。
士郎は呆気にとられて声さえ出ない。
「だから切嗣のことも聖杯戦争のことも知っている。お前が巻き込まれないか心配で、できるだけ早く帰って来たつもりだったが、もう終わっていると聞いた」
聞いているのか聞いていないのかわからない士郎に、だがバローダは淡々と告げる。
「そこの遠坂嬢は差し詰め魔術師で、セイバーとその横にいる男性は人外だろう。サーヴァント、でよかったか?」
「ああ、私はアーチャーだ」
答えたのは唯一驚きを示していない弓兵だった。
冷静な返答にバローダは頷く。
次に我に返ったのはセイバーだった。
バローダを只者ではないと一目で見抜いたからこそ彼女は玄関先で警戒し、士郎を守ろうとしたのだ。
彼女が死徒狩りという職に就いているのを、むしろ納得した。
「シロウの剣であるセイバーと申します」
「ああ、君が士郎のサーヴァントか。どうも、義弟が世話になっている」
くるりと向き直り深々と頭を下げる。
正義の味方を目指している義弟の頑固さが、聖杯戦争でどれほど扱いにくかったかを察しているのだろう。
先程までの冷たい怒りに満ちた瞳でなく、真摯なまでの労りに満ちている。
しかし義弟に向き直った時、既に彼女の瞳はその色を変えていた。
「では士郎、それを含めてもう一度問う」
定規を当てているかのように背筋が伸び、少し上方にある義姉の顔を窺うように見上げる。
吊りあがった頬、弧を描く薔薇色の唇、けれどもその瞳は決して笑っていなかった。
「何故私に何の連絡もないまま年頃の女性を住まわせ、この家をハレム状態にしたのか、お聞かせ願おう」



それは彼がエロゲの主人公だからです。

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