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実家なう。
DMC3のハードをクリアしました。
ベリーハードとDMDはまだです、っていうか無理です。
ハードでバージル鬼いちゃんにフルボッコされてる時点で、クリアまでにどれだけ時間がかかるかなんて見え透いてるのです。
バージルもプレイしたいです。
でもダンテを極めてからのがいいかなとか思うのです。
さて、続きは一切関係ない士郎君の一人語りです。
シリアス……じゃないかな?
うん、シリアス。
大体そんな感じ。
DMC3のハードをクリアしました。
ベリーハードとDMDはまだです、っていうか無理です。
ハードでバージル鬼いちゃんにフルボッコされてる時点で、クリアまでにどれだけ時間がかかるかなんて見え透いてるのです。
バージルもプレイしたいです。
でもダンテを極めてからのがいいかなとか思うのです。
さて、続きは一切関係ない士郎君の一人語りです。
シリアス……じゃないかな?
うん、シリアス。
大体そんな感じ。
赤の怨嗟に塗れた世界で、彼女の青だけがまぶしかった。
肌を焦がす熱と身を苛む疲労感、幼い身にはあまりにも過酷な状況に最早歩むことすら億劫だった。
父も母も、今やどうなったかわからない。
いや、わかりたくないのだ。
転がる黒炭の塊が何なのか、理解しているからこそ、両親がどうなったのかなど考えたくもない。
ただ惰性のように歩き続ける少年の足取りは重く、進む速度は遅々としている。
知っているはずの街は瓦礫と炭の山と化し、どこを歩いているのかもわからない。
――だれか、いないのか
行く先も来た道も屍しか見えない。
生きた人間を求めて、少年は重たい脚を動かす。
あるいは、彼もまた屍なのかもしれない。
それまで確かに彼を形作っていた何かは、その日小さな胸の奥で息絶えてしまった。
瞳に生気はなく、虚ろに世界を映す。
――もうたおれてもいいかな
体が動かない。
空気さえもが幼い体を内側から蝕む。
足が地を踏む感覚はとうにない。
膝から崩れ落ちる少年の体が、焼け焦げた瓦礫にぶつかる寸前、柔らかい何かに支えられた。
「Hey, are you okay?(おい、大丈夫か?)」
かろうじて正常だった聴覚に届いたのは、異国の響きで。
キラキラとした光のカーテンが赤い世界を少年の視界から遮る。
背を支えるのが細い二本の腕だと知ったのは、愛らしく声が力強い響きでもって再び耳に届いた時だった。
「Stay with me! Don't shut your eyes!(しっかりしろ! 目を閉じるな!)」
何を言っているのかわからないけれども、相手が必死だということは伝わってくる。
薄らと開いた目には目の覚めるような青い宝石二つ並んで見えた。
白と青だけの視界が、少しずつ全体を捉えられるようになっていく。
光のカーテンだと思っていたものは白銀に煌めく長い髪で、青い宝石は冷たくも優しい光を灯す瞳だった。
抜けるような白い肌の同じ年頃とおぼしき少女が、月のような美貌を悲痛に歪ませている。
――てんしだ
自分を支える腕が神の御遣いのものだと、少年はその時本気で思った。
人だと思うには、少女はあまりにも美しすぎた。
幼いながらも人離れした魔性の美貌。
――しんじゃうのかな
忍び寄る死の影を感じた少年の心は、しかし波立つものなどなかった。
迎えに来た少女があまりにも美しかったから。
あまりにも優しい声で泣くものだから。
彼女と共に行けるのならば、このまま死んでしまってもいいかと思ったのだ。
「Is there someone help him.(誰か、この子を助けて)」
炎と怨嗟が取り巻く地獄の中、愛らしい声が悲痛に響く。
そして生き残った少年と異世界より拐かされた少女は、魔術師殺しの男と会う。
「懐かしいなあ」
衛宮士郎と名を変えた少年は、晴れ渡った空を見上げながら○○士郎としての最期の日を思い出す。
あの日天使だと思った少女は、義姉となり、一年の半分を世界中を駆け回って過ごしている。
彼女は天使ではなかったが純粋な人間でもなかった。
白き刃を手に魔を狩る、美しき魔性。
けれども士郎にとっては優しく厳しく自分を導き守っている姉でしかないのだ。
歳が一つしか変わらない女性に守られていることに焦燥を覚えることもある。
いつか自分を残してこの世界を去るかもしれない彼女に不安を覚えることもある。
彼女を知れば知るほど不安が募る。
ぱたぱたと駆けてくる軽やかな足音。
気配や足音を士郎が知覚できるのは、不安がらせないようにわざと現しているのだと今では知っている。
「士郎、洗濯物干し終わったか?」
部屋の中からひょこりと士郎のいる縁側に顔を出す彼女は、いつかの面影を色濃く残しながら、より美しく艶やかに花開いた。
「ああ、終わったよ、バローダねえ」
不安はある。
離れないでくれと、一緒にいてくれとすがってしまいそうになる日もある。
家族を失いたくないのだと訴えて、同情でもいい、共にいるという確約を得てしまいたくなることもある。
けれども、隣で優しく笑う顔に、いつだって言葉を無くすのだ。
肌を焦がす熱と身を苛む疲労感、幼い身にはあまりにも過酷な状況に最早歩むことすら億劫だった。
父も母も、今やどうなったかわからない。
いや、わかりたくないのだ。
転がる黒炭の塊が何なのか、理解しているからこそ、両親がどうなったのかなど考えたくもない。
ただ惰性のように歩き続ける少年の足取りは重く、進む速度は遅々としている。
知っているはずの街は瓦礫と炭の山と化し、どこを歩いているのかもわからない。
――だれか、いないのか
行く先も来た道も屍しか見えない。
生きた人間を求めて、少年は重たい脚を動かす。
あるいは、彼もまた屍なのかもしれない。
それまで確かに彼を形作っていた何かは、その日小さな胸の奥で息絶えてしまった。
瞳に生気はなく、虚ろに世界を映す。
――もうたおれてもいいかな
体が動かない。
空気さえもが幼い体を内側から蝕む。
足が地を踏む感覚はとうにない。
膝から崩れ落ちる少年の体が、焼け焦げた瓦礫にぶつかる寸前、柔らかい何かに支えられた。
「Hey, are you okay?(おい、大丈夫か?)」
かろうじて正常だった聴覚に届いたのは、異国の響きで。
キラキラとした光のカーテンが赤い世界を少年の視界から遮る。
背を支えるのが細い二本の腕だと知ったのは、愛らしく声が力強い響きでもって再び耳に届いた時だった。
「Stay with me! Don't shut your eyes!(しっかりしろ! 目を閉じるな!)」
何を言っているのかわからないけれども、相手が必死だということは伝わってくる。
薄らと開いた目には目の覚めるような青い宝石二つ並んで見えた。
白と青だけの視界が、少しずつ全体を捉えられるようになっていく。
光のカーテンだと思っていたものは白銀に煌めく長い髪で、青い宝石は冷たくも優しい光を灯す瞳だった。
抜けるような白い肌の同じ年頃とおぼしき少女が、月のような美貌を悲痛に歪ませている。
――てんしだ
自分を支える腕が神の御遣いのものだと、少年はその時本気で思った。
人だと思うには、少女はあまりにも美しすぎた。
幼いながらも人離れした魔性の美貌。
――しんじゃうのかな
忍び寄る死の影を感じた少年の心は、しかし波立つものなどなかった。
迎えに来た少女があまりにも美しかったから。
あまりにも優しい声で泣くものだから。
彼女と共に行けるのならば、このまま死んでしまってもいいかと思ったのだ。
「Is there someone help him.(誰か、この子を助けて)」
炎と怨嗟が取り巻く地獄の中、愛らしい声が悲痛に響く。
そして生き残った少年と異世界より拐かされた少女は、魔術師殺しの男と会う。
「懐かしいなあ」
衛宮士郎と名を変えた少年は、晴れ渡った空を見上げながら○○士郎としての最期の日を思い出す。
あの日天使だと思った少女は、義姉となり、一年の半分を世界中を駆け回って過ごしている。
彼女は天使ではなかったが純粋な人間でもなかった。
白き刃を手に魔を狩る、美しき魔性。
けれども士郎にとっては優しく厳しく自分を導き守っている姉でしかないのだ。
歳が一つしか変わらない女性に守られていることに焦燥を覚えることもある。
いつか自分を残してこの世界を去るかもしれない彼女に不安を覚えることもある。
彼女を知れば知るほど不安が募る。
ぱたぱたと駆けてくる軽やかな足音。
気配や足音を士郎が知覚できるのは、不安がらせないようにわざと現しているのだと今では知っている。
「士郎、洗濯物干し終わったか?」
部屋の中からひょこりと士郎のいる縁側に顔を出す彼女は、いつかの面影を色濃く残しながら、より美しく艶やかに花開いた。
「ああ、終わったよ、バローダねえ」
不安はある。
離れないでくれと、一緒にいてくれとすがってしまいそうになる日もある。
家族を失いたくないのだと訴えて、同情でもいい、共にいるという確約を得てしまいたくなることもある。
けれども、隣で優しく笑う顔に、いつだって言葉を無くすのだ。
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