[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
いや、犬も好きですよ、愛してます。
うちのわんこは世界一ぃいいいいいい!!
そして、なぜこんなことを言い出したかというと、猫ネタを今まで二つ書いてきましたね。
そのどちらもそっちかよ!というツッコミが来てもおかしくないものでした。
だが、私はあえて言おう。
動物は大型のほうが好きです。
それを念頭に、続きをどうぞ。
あ……ありのまま今起こったことを話すぜ!
『朝起きて一階に降りたら白いシャドウに似た生き物が、いつの間にか事務所にいた』。
な……何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何があったのかわからなかった……。
頭がどうにかなりそうだった……。
寝ぼけてるだとか催眠術だとか、そんなチャチなものじゃあ断じてねえ。
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……。
などと、ダンテが思ったのかは定かではない。
その白銀の獣は、じろじろと不躾な視線を送るダンテを一瞥し、つまらなそうに欠伸をした。
まるでお前には興味がないと言われているようで何となく傷ついた。
だが姉のように動物に懐かれるわけでもなし、仕方ないと肩をすくめ、動物ホイホイの名を欲しいままにする姉を捜す。
平日なのでネロは学校に行ったのだろうが、バローダはまだいるはずだ。
いつもなら遅く起きてくるダンテの分の朝食が乗っているはずのテーブルには、今日に限って何も置いてない。
何かの用事で作れなかったというのならば、最低でもメモが置いてあるはずだが、それすらも見当たらない。
何かあったのかと、ダンテはがりがりと頭を掻きながらキッチンに向かう。
朝食の匂いのしないキッチンは珍しい。
バローダがいないどころか今日料理をした気配のない流しに、まさか出て行ったのでは、そう考えかけて思考を放棄した。
ネロがいる限りバローダがそうそう家出などという愚考に走るわけがない。
ならばここにいるはずだと、歩き回る。
バスルームにバローダの部屋、ついでにネロの部屋とダンテの部屋も覗いてみる。
結果はシロ。
買い物に行くには時間が早すぎるし、仕事をするにしても同様だ。
よって外に行ったという可能性もほぼなし。
いつもと違う点といえば、豹に似た白い大型の獣が堂々と居座っていること。
ダンテはその獣の横に座り込んで、瞳を覗き込んだ。
白銀の毛皮の中に輝く二つの瞳は上質なアクアマリンに似ている。
「お前、バローダがどこに行ったか知らねえ?」
傍から見れば動物に問い掛けている頭のネジが少々緩んだ男にしか見えないだろう。
だがダンテはその獣が悪魔だと確信していた。
応えるように白銀の獣が長い尾をダンテに伸ばす。
恐らく敵意はないのだろう、攻撃するならば幾らでも隙はあったはずだ。
そうわかっていながらも緊張してしまうのは、悪魔を目の前にした悪魔狩人としての本能か。
柔らかい毛に覆われた尾は器用にダンテの腕に巻きつくと、自らの方に引っ張った。
「おいおい、引っ張んなよ」
尾の巻きついていない腕で寝そべった四肢に倒れこまないよう自分の体を支えながら、こちらを見上げる獣にダンテは苦笑する。
何処かで見たようなアイスブルー。
不意に生じた既知感が違和感に変わるまでそう時間を要すことはなかった。
姿を見せない姉、用意されていない朝食、初めて見た白い獣型の悪魔。
そんなわけないだろうと、ダンテの頭で誰かが笑う。
反対に、もしかしてと、息を呑む誰かもいた。
「あー、まさかとは思うが、……バローダ?」
いやまさか、でもそれじゃあ。
混乱したダンテの目の前で、獣の姿をした悪魔が頷いた。
『今更気づいたのか』という呆れた視線もセットで。
考えてみれば簡単だった。
家の警備を担っているケルベロス、ベオウルフ、シャドウなどの悪魔たちが何故この悪魔に敵対していないのか。
相手に敵意はなくとも、警護する者たちによる攻撃の跡さえもないのは不自然だ。
それもこれも、相手が自分の主、あるいは主の姉であると知っているからだろう。
朝食の用意がしていないのも、朝からこの姿だったと考えれば辻褄が合う。
流石に獣の姿で台所に立つことはできまい。
ネロには朝食を作れないことを説明して、恐らく金を持たせて送り出したのだろう。
レディに頼るという手もあったが、生憎獣の手、というか前脚では受話器を握ることもできないはずだ。
色合いで気づければよかったのだが、黒毛赤眼のシャドウと丁度正反対の色合いだったため、シャドウの亜種か、対として造られた悪魔だとダンテは勘違いしてしまっていたのだ。
「うわぁ、マジで?」
「大マジだ、馬鹿者」
鋭い牙を覗かせながら漸く口を利いたかと思えば、最初に飛び出してきたのは悪態だった。
それにしても、獣の姿から妙齢と思わしき女性の声が発せられるのはかなりの違和感を覚えさせられる。
吼えるのかと思った。
口を開いたバローダを見たダンテの正直な心情である。
「閻魔刀はどうしたよ」
「今の姿では使えないので下がらせている」
ダンテの手を開放した尻尾でぺしぺしと自分の影を叩く。
その中にいるということだろう。
手で持てないからといって銜えて使うわけにもいくまい。
残念ながら閻魔刀はバローダの姿が戻るまで使用不可というわけだ。
「あと、魔人化はできないが幻影剣は使えるようだ」
証明するかのように白い獣の周囲に透き通った青い魔力の剣が幾重にも生成される。
一斉に現れたそれはダンテに鋭い切っ先を向ける。
剣を向けられた本人は、気にするような細い神経をしていないどころか、逆にほぉと感心していた。
「不幸中の幸いといったところか」
パリンッと、全ての幻影剣が主の意のままに砕けた。
青い魔力の欠片は硝子のように煌めきながら、空気に溶けて消える。
のそりと組んだ前脚に顎を乗せてバローダは体を伸ばした。
「流石にその体じゃ仕事は無理だな」
「どうしてもというのならば不可能ではないが、万が一を考えるならば今日は休業の方が無難だ」
何気なくダンテは白い体毛に覆われた背に手を伸ばす。
毛並みに沿うように撫でると、心地よさげにバローダが喉を鳴らした。
思ったよりも獣に近づいているらしい。
驚きもそのままにダンテはバローダの喉を指先で擽る。
ぐるぐると鳴る喉に気をよくして、わしゃわしゃと流れるような見事な毛並みをかき乱すように頭を撫でた。
毛並みを乱されたのが不快だったのか、バローダは長い尾をダンテの腰に巻きつけ、自分の方に引いた。
相手が姉であるとわかっている今度は、ダンテも大人しくバローダの腹に倒れこんだ。
「おおう、もふもふだ」
柔い腹部の毛に顔を埋める。
ふわふわのもふもふな毛皮にご満悦なダンテの背を、尻尾が一定の間隔で宥めるように叩く。
「どうせ今日は仕事にならないから、いっそ寝てろ」
その方が静かでいいと、ダンテに体を寄せながら器用に尾で寝かしつけようとする。
「でもなぁ……」
「ほら、眠いんだろう?」
意識だけで無駄な抵抗をする割りに動こうとしないのは、それだけ毛皮の心地よさが手放しがたいのだろう。
頭をぐりぐりと腹に擦り付けていたかと思うと、くるりと仰向けになった。
「寝るわ、おやすみ」
「ああ、おやすみ」
バローダの腹を枕に目を閉じたダンテの頭を尻尾が優しく撫でる。
獣の凪いだ瞳は慈愛に満ちている。
まだ肌寒い季節、弟を暖めるように体を丸めた。
※タイトルに偽りあり。
Catじゃねーよと言うなかれ。
豹も猫科の動物です。
立派な猫の仲間です。
大型動物が好きだから仕方ないね。
猫耳ちゃうんかい!というツッコミが聞こえてきそうですが、期待を斜め四十五度で裏切るのが天木の趣味です。
ベオウルフは装備できると思うのです。
四本の足に光り輝く武器を装備した白豹とか、かっこよすぎて鼻血出る。
閻魔刀が牙になるとかも考えたのですが、流石にそこまでいくと閻魔刀に夢見すぎですよねー。
こう、普通の犬歯がサーベルタイガーの牙みたいになったりとか。
それだったら大神のアマ公みたく背中に浮いてる方がいいかな。
妄想乙。