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ここは拍手返信や更新や小話が中心の女性向け二次創作ブログです。
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えー、予想以上にdrrrトリップに反応が頂けました。
BODですらこんなに反応なかったぞ!
コメントはあっちの方がありましたが。
なんなの、みんなdrrrが好きなの?
旬のジャンルだからなの?
どうも、シズちゃんとセルティは池袋の妖精コンビだと信じてやまない天木です。
なんか、人気があってコメントも一件いただいたので、せっかくだからオムニバス形式で各キャラごとに絡めていきたいと思ってます。
べ、別に久々のコメントが嬉しかったとか、そんなんじゃ……!
コメントくださると、こうやって調子に乗ります。
ということで、今回は題名通り俺の嫁平和島静雄編、行ってみましょう!
デフォルト名はバローダです。


バローダは弟に対し、静かに怒りを表わしていた。
彼女は決して感情的になることはない。
だが彼女の周囲の空気が、冷たい棘を孕んでいた。
『ダンテ』
名を呼ばれた当の本人は、気まずげに斜め下方を見ている。
所在なさげな所作は、幼い子供を思わせる。
『お前という奴は、その歳になっても落ち着きというものが出ないのか』
ふうと、静かな吐息には呆れの色が濃い。
閻魔刀はすでに異次元に戻してある。
ダンテのリベリオンとエボニー&アイボリーもギターケースの中だ。
但し余計な真似をしないようにと、ギターケースはバローダの背にある。
それを奪おうものならマウントで殴られるのは確実だ。
バローダは元々穏やかな性格であるのだが、時折苛烈な側面を見せる。
悪魔狩りなどを生業にしている時点で、優しいだけの女性でないことだけははっきりしていたのだが。
そんなバイオレンスな姉もダンテは好きだった。
決して妙な性癖を持っているわけではないというのは、彼の言い分である。
ただ、単純に嬉しいのだ。
姉であるバローダの優しさは常に平等に、もちろん家族であるダンテとネロには格別ではあるが、注がれている。
女子供には親切に、年上や目上の人間には敬意を、仲間には親愛を、を信条としている彼女のことである。
結局の所、相手が誰であろうと接し方はひどく穏やかだ。
その反面、彼女は自分の激情を表に出さない。
怒りを押し込め、悲しみを閉じ込め、無表情の上に薄く笑みを乗せる。
だが、ダンテの前では違う。
ダンテの前でだけは、彼女は自分を取り繕わない。
取り繕う必要すらもないのだ。
怒りを露わに言葉を吐き出し、果ては刀や拳を振るい、悲しみのままに涙する。
変化を見せる姉の表情が自分の前でだからなのだと考えるだけで、独占欲に背筋がゾクリとした。
それを見るのが楽しくて、わざとハメを外すこともある。
今回も故意的な所がなかったかと問われれば、否定はできない。
バローダはそれすらも見透かして、『いい歳して馬鹿をやっている』と言ってのけるのだから、やはりダンテは双子の姉に頭が上がらないのだ。

その日は平和島静雄にとって不運なこと続きだった。
朝から寝坊し、いきなりトイレの電球が切れ、取り立て先は悉く留守だったり反抗的な相手だったりで好きでもない暴力を幾度も振るう羽目となりまともに集金できず、昼食にと寄ったマックでシェイクを頼もうとしたら機械が故障中、挙句注文した後に財布を事務所に置き忘れたと気づき、先輩に奢ってもらうこととなり何となく肩身の狭い思いで食事を済ませた直後に、天敵である折原臨也の存在を視認してしまったのだ。
「いざやーーーーーーーー!!!!!」
標的の名前を今日という日に対する憤りを込めて叫びながら、地面から生えている道端の標識を毟り取り、力の限り振り回す。
「うわっ、シズちゃん、ちょっとやめてよ。俺これでも忙しいんだよ」
鋭い音を立てて空気を切り裂く標識を軽々と避けながら、臨也はチェシャ猫のように笑う。
静雄の額にくっきりと青筋が浮かんだ。
抑えきれない程に湧き出る強い怒り、それが彼の原動力だ。
誰に対してぶつけられるでもない小さな鬱屈を、天敵である男に対する怒りとしてぶつける。
人はそれを八つ当りと呼ぶのだが、鬼神と化した静雄にそれを指摘する勇者はいない。
「殺す殺す殺す殺す殺す殺してやる、早く死ねすぐ死ね今死ねとっととさっさと死にやがれ!!」
荒ぶる静雄の前で身のこなしも軽く臨也は攻撃を避けて笑った。
「やだよ。化け物のシズちゃんならともかく、俺が死んだら沢山の人が泣いちゃうもん」
「ほざいてんじゃねぇ!!」
ナイフを片手でひらひらと振りながら臨也は嘯く。
そのふざけた態度に、静雄の額に血管が更に追加された。
「こ、の、や、ろう!」
感情のままに標識を、槍投げのように臨也に向かって投擲する。
しかし速さはあるものの至って直線的で単純な攻撃は、ひょいと軽く避けられる。
「あははは、俺今日は本当に忙しいからさ、遊びたいならまた今度ね」
そのままパルクールを駆使し、黒い男は人ごみの中へと紛れ込んでいった。
姿が見えなくなる前に追おうとした静雄の背中に声がかかる。
「そこの金髪でバーテン服の青年」
「あ゙ぁ?」
忙しいから後にしろと怒鳴りかけたその顔すれすれに、上空から何かが降ってきた。
嫌というほど見覚えのある白と赤のコントラスト。
ドシンと重い音を立てて、それはコンクリートの地面に突き刺さった。
「先程これが私へと飛んできたのだが、」
静雄は声の方を慌てて見る。
ギターケースを背負った美しい銀髪の女が、標識で隔てられた先に無表情で立っていた。
「お前が投げたもので相違ないな?」
平和島静雄の本日の不運は、まだ終わってなどいなかった。



本当はネヴァンキッスでシズちゃんの体力を奪う姉さまが書きたかったのですが、なぜかそこまで行きませんでした。
多分前半の2様のせい。
若干Mっぽい2様のせい。
違うよ!2様は姉さま以外にはドSだよ!
次書くとしたら『情報屋と悪魔のダンス』かな。

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