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最近更新が本当に滞っていてすみません。
ネタに困ってます。
どうにもスランプ気味です。
せっかくの七夕なのでネタだけでも置いていこうという無駄なあがきです。
続きからどうぞ。

あるところに牽牛という穏やかな性格の人がいました。
その人は牛飼いを営んでいました。
牛を我が子のように可愛がる心優しい人でした。
「ケルベロスとベオウルフ、今日も散歩に行くぞ」
その日も彼の人は個性的な名前の牛を二匹連れて、散歩に向かいました。
気の向くまま足の赴くままに進んでゆくと、何か声が聞こえてきました。
「ヒャッホウ! Show Time!」
どうやらテンションの高い笑い声のようです。
何やらガタゴトと物音も聞こえてきます。
あまりのテンションの高さに、牽牛はドン引きしました。
ですが牛たちは興味を持ったらしくズンズンと進んでゆきます。
ちょっと牛たちの教育に悪そうだなと率直に思いながらも牽牛も共に歩きます。
そこでは何やら一人で機を織っている人がいました。
笑い声の主はその人のようです。
一人で機を織りがら笑っている人に、牽牛は嫌そうな顔をしました。
正直、このハイテンションにはついて行けないとわかっていたからです。
横を通り過ぎようとした時、牽牛にとっては残念なことが起こりました。
一人で機を織っていたその人に気づかれてしまったのです。
「おい、そこの牛連れてる奴!」
「……なにか」
牽牛は思いっきりこれ以上ないほど嫌そうな顔で答えましたが、その人は気にしないようです。
少しは気にしてほしいと牽牛は思いました。
「俺は織姫ってんだけど、お前は?」
織姫というと天界の王の子供です。
ただの牛飼いである牽牛とは身分が、それこそ天と地の差ほどもあります。
名乗りたくなくても名乗らなければいけません。
ましてや相手が名乗ったのに無視するのは礼儀に反します。
牽牛は作法には厳しい性質でした。
「牽牛と申します」
頭を下げながら名乗ると、にかっと織姫は笑いました。
「お前、連れ合いか恋人は?」
「おりません」
牽牛はひしひしと嫌な予感を覚えながら答えました。
織姫の笑みが深まっていきます。
ですが身分差ゆえに、問われたことには素直に返してゆきます。
「好きなヤツは?」
「おりません」
「気になってるヤツとかは?」
「おりません」
牽牛は実直な若者でしたので、恋愛事には興味を示さず、仕事に打ち込んでいる生活を送っていました。
気の許せる友人と可愛い牛に囲まれていれば幸せなのです。
何せ天界の人間は寿命というものが殆どないので、結婚して子供を残すということすらも稀なことでした。
それこそ、身分の高い人や、金持ちの娯楽程度に考えられているのです。
恋愛はしても結婚まで辿りつかない恋人たちが多いのです。
「んじゃ、俺と結婚しようぜ」
唐突でした。
あまりにも唐突すぎて、驚いた牽牛は何も言えませんでした。
そんな牽牛の手を掴んで織姫は引きずっていきます。
後ろで置いて行かれた二匹の牛が寂しそうに鳴く声を聞いて、漸く牽牛は我に返りました。
「待ってください!」
織姫は小さく舌打ちしました。
そのまま親である天界の王の所まで連れて行って、既成事実を作ってしまうつもりだったのです。
既成事実にも色々ありますが、まず間違いなく此処で正気に返ったのは牽牛に取って幸運だったでしょう。
ですが織姫は牽牛の手を掴んだままです。
身分の高い人の手を振り払うなどできないので、牽牛は逃げられません。
「離して、いただけますか?」
牽牛が問うと織姫は楽しそうに笑いました。
「離すと思うか?」
返事が予想通りだったので牽牛は顔を引きつらせました。
織姫は子供のように無邪気に、大人のように計算深い笑みで言いました。
「俺はあんたが気に入った。んで、あんたは身分差で俺のことを断れない。だろ?

「そう、ですね」
牽牛はその時、にっこりと笑いました。
恐ろしいほどに美しい笑みでした。
織姫は牽牛の顔を見て、凍りつきました。
背後に見えてはいけないスタンドのようなものが見えたからです。
「だが、身分を振りかざして結婚を迫る? いい度胸だ、よほど生き飽きたと見える」
牽牛はトコトコと近くに寄ってきた牛の一頭の背に手を伸ばし、乗っていた荷物の中から一振りの刀を出しました。
実は牽牛は天界の王にも認められた刀の使い手だったのです。
普段は温厚を絵に描いたような穏やかな人物ですが、理性的なだけにキレると怖いと友人の間では評判でした。
「躾け直してやろう」
牽牛は暗い瞳で唇の端を持ち上げました。

その後、少しばかり大人しくなった織姫が牽牛の後ろをついて歩くのが見られるようになったとか。




配役は織姫:ダンテ、彦星:姉さまです。
性別が逆転とか気にしない。
織姫姉さまだと真面目過ぎて話が進まないから。(笑)

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